テキュ

すうとして無理やりです

2018/6/13 (夢)

*1)恋人と旅行に出かけていたその最終日だった。夜の繁華街の中に「ビール一杯、味噌カツ一つまでなら無料」という店を発見し、半信半疑で入ってみると本当に無料でやっているらしかった。驚きながら味噌カツとビールをいただき、形だけの*2)レシートを切ってもらいお金を払うことなく店を後にした。

翌朝帰る時間になってどうやら昨日の店が詐欺か罠であったことに気づき、わたしたちは飲み食いした代金を払えと違法な金額を迫る男達から逃げねばならなかった。

恋人と一旦別れ、駅で落ち合おうと別々のルートで走っていった。わたしは左手側が並木で、右手側が工事中なのか白く高い壁になっている、人通りの多い道を選んだ。わたしは*3)信じられないくらい上手に人の間を縫い、駆けていった。浮いているかのような走り心地だった。

*4)駅に着き、急いで入った。しかしそこは狭くて薄暗い立方体のような構造で、ホームに繋がる階段が1つしかなかった。ここで合っているのかと思いながら*5)恋人を待ったが、いくら経っても来なかった。見ればそこはある特定の、マイナーな路線しか通っていない副次的な駅のようだった。

急いでそこを出て、隣の正しい駅に向かった。改札の外に金を迫る男たちがいたが、駅員さんに止められていた。*6)わたしは駅員さんに帰るための路線はどっちだと尋ねた。その向こうで男たちが殺すぞと叫んでいた。

無事家に帰ってきたその夜、扉ががたがたと揺れた。母が外に誰かいるみたいだと言っていた。まさかと思って窓から外を見ると、男たちの1人がこちらを見てにやりと笑っていた。

家の中に戻るとそこにもまた、いつの間にか仲間の1人がいた。椅子に座って足を組み、ウクレレを弾いていた。男はこちらを見てにやりと笑ったので、わたしはまず大きく振りかぶってから殴る真似をした。男は動くこともなく依然にやにやと笑っているだけで、それで無性に腹が立ち、わたしはアコースティックギターでその男の頭を強く殴った。1回目はまだ男も笑みを保っていたが、もう1回殴ると顔が苦痛に歪み、ごめんなさい、許してください、と虚に呟き始めた。わたしは外にいるもう1人の男をどう殺したらいいか考えていた。

 

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*1.知っている顔ではなかった。誰かは思い出せない。

 

*2.そのレシートを見て、わたしはこの店が関西にも店舗を構えていて、行ったこともあるのを思い出した。あろうことかポイントカードすら持っていた。しかし、そのポイントカードからは不吉な感じが漂っていたと思う。

 

*3.恋人が見ているので、かっこよく走らなければと思っていた。

 

*4.「高輪」と書いてあった。ちなみに、夢の中では東北の方に旅行に行っているという感覚だった。

 

*5.最終的に、恋人とはこの後1回も会わなかった。

 

*6.この時点で、男たちへの恐怖は薄れていて、わたしの安全さを見せつけてやろうと、わざと駅員さんに路線を訪ねた。